和三盆について

つくり方のお話

つくり方のお話

 

三谷製糖の和三盆はさとうきびづくりから始まります。「讃岐和三盆糖」に適したさとうきびは、扇状地にある引田を中心にしたごく限られた地域のものだけです。

三月から四月にかけて苗を植え、十二月に収穫すると、白下糖(黒糖)づくりが始まります。

和三盆の原料となるだけに、一ヶ月に及ぶこの期間は大変重要です。一時も気を抜けず、作業場に籠りきりとなります。

 

まずは「きびしめ」作業です。収穫したばかりの砂糖きびを絞り、汁をとり出します。一昔前まではこの作業は牛にひかせて行なっていました。その時の石車が今も残っています。

 

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次に絞った汁を釜にいれ、アクを丹念にとり除きます。じっくりと煮詰めてから、その後すまし桶に移し、不純物を沈殿させた後、うわずみ液だけをとって更に煮詰めます。一連の作業が終わると、出来上がったもの甕(かめ)に移し、ゆっくりと冷まします。こうして白下糖が完成します。

 

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ここからはこの道何十年の職人が「研ぎ」を行ない、押し船に入れて押し、糖蜜を抜いていく「分蜜」作業を行ないます。「研ぎ」とは砂糖の結晶を台の上で手で研ぐ作業で、これによって結晶が丸くなり、糖蜜が流れ落ちやすくなります。

なお「和三盆」とは、お盆の上で三日間研ぐところからつけられた名称です。

 

研ぎには五段階あります。荒掛け、つぶり、どぶ研ぎ、中研ぎ、上研ぎです。研ぎ終わる都度に布でくるんで押し船に重ねて並べ、代々伝わる重石を使ってゆっくりと糖蜜を抜いていきます。この間、自然酵母によって発酵が進みます。

 

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その後、完全に乾燥させて「和三盆糖」づくりの全工程が終了します。

 

こうして約一週間かけて仕上げられた和三盆糖は、様々な木型によって季節の模様に形づくられていきます。

 

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二百年来変わらぬ和三盆の味は昔からの製法でしか作り出せないため、三谷製糖では今でもなお、そのやり方を継承しています。

 

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